自民・民主・公明 海外“視察”という観光旅行 共産党「議会改革」に奮闘

 物見遊山の海外“視察”、議会出席は仕事なのに、出席ごとに“費用弁償”が支給─。「議員特権はムダ」という批判が高まる中、議員のあり方を正そうと奮闘してきたのが日本共産党です。「議会もムダを削るべきだ」─市民の願いに応え、議会改革をどう実践するのか、来春のいっせい地方選挙で問われています。

市議団中止を要求し続ける

 「ここまでひどいとは」。02年春。自治体の不正を監視・是正する「市民ウオッチャー・京都」のメンバーの一人、岡根竜介弁護士は、思わずつぶやきました。京都市議が行っている「海外行政視察調査」の実態を調べていたときのことです。
 2期目以上の議員が任期中に1回参加できるという「海外行政視察調査」。期間は21日以内、費用限度は一人当たり120万円です。
 日本共産党市議団(山中渡団長、19人)は97年から自粛し、99年以降毎年、現行の「視察」は公費を使う視察のあり方としてふさわしくないと中止を要求し続けてきました。
 これに対して、自民、民主、公明の「オール与党」議員は、同党の要求を無視し「視察」を続けていました。
 岡根さんが驚いたのは、2000年度と01年度の欧州と米国への「視察」でした。
 01年8月、行き先は米国。参加した議員は自民、民主の6人。参加議員がまとめた「報告書」によると、8月21日、シカゴ市役所でのゴミ問題の調査は2時間で終え、その後チャーターした専用バスで5時間、市内を「視察」。そこからナイアガラの滝に向かい、同地で宿泊したというもの。
 「何でナイアガラに行くんや。まさに観光やないか」。岡根さんはあきれました。
 一行はその後、ボルティモアとニューヨーク両市に向かいました。「報告書」には「市内視察」とだけ。土、日の視察?疑問に思った岡根さんは、当時の日程表を取り寄せたところ、土曜日は、ボルティモアで大規模ショッピングセンターを「見学」し、午後ニューヨークに。夜はディーナークルーズ船で夕食。日曜日は、専用バスのガイド付で、メトロポリタン美術館など観光名所をめぐりました。
 00年8月の自民、公明、民主の欧州「視察」も同様です。英国・ロンドン、クロアチア・ザグレブ、スウェーデン・ストックホルムでの「市内視察」という日程が並んでいました。
 「市民ウオッチャー・京都」は、この「視察」費の返還を求め訴訟を起こし、大阪高裁は05年5月、01年8月の米国「視察」について、一部観光であり違法として、費用の一部の返還を命じ、ニューヨーク観光は、「市民の税金等を原資とする公金を消費してまで行うことが許されるべきものでない」と断じました。
 全会派が海外「視察」を取りやめたのはそれから2年後の07年。日本共産党がいち早く自粛を決めてから、10年が経っていました。
 日本共産党府会議員団(新井進団長、11人)でも、早くから「物見遊山の海外視察の中止」を提案、「全国議連」の海外視察中止や、「任期中に1回」のとりやめ、「視察は府政に必要なものに限り、人数、日程も最小限にする」など、改革を提案し、改善を実現してきました。

費用弁償支給は廃止すべき

 府民の暮らしが苦しいなか、高額な議員報酬や活動費支給にメスを入れてきたのが日本共産党です。
 同党府議団は、議員が議会本会議などに出席した際に支払われる費用弁償について「費用弁償(公務諸費)を廃止し、交通費の実費支給のみに」と主張し続け、一日あたり1万1300円から、6000円に引き下げさせ、さらに費用弁償の廃止を求めています。同党京都市議団も半額に削減させ、さらに廃止を求めています。
 また政務調査費の領収書添付を義務付けさせるなど、費用の公開・透明化に取り組んでいます。
 議員報酬引き上げにも反対してきました。
 同市議団は11月議会で議員報酬3割削減する条例案を提案。同府議団は、「議員報酬を削減し、3億円を府民の暮らしにまわすべき」と主張し、11月府議会で議員報酬を3分の1カットする条例案を提案する予定です。

暮らし守る財源確保を主張

共産党府議団 地方交付税削減に反対

 日本共産党はムダな大型公共事業にメスを入れるとともに、自民党・小泉内閣が「三位一体改革」の名のもとに断行した地方交付税の大幅削減に「住民の命と暮らしを守るために財源を保障すべき」と反対してきました。
 「三位一体改革」で国は04年から3年間で、国庫補助負担金4.7兆円、地方交付税は5.1兆円も削減し、また国から地方への税源移譲はわずか3兆円、計6.8兆円もの減額になりました。
 同党府議団は、「三位一体改革」の狙いが地方への交付税削減であることを当初から見抜き、「国の財政負担を地方に転嫁するもの。住民の暮らしを守る財政を確保するために、地方交付税の充実強化こそ求められている」(04年2月府議会で新井進府議の代表質問)と、反対の論戦を展開してきました。これに対し自民・公明・民主の与党会派は、03年11月議会で「三位一体改革を着実に推進されるように要望する」意見書を採択するなど、推進してきました。
 04年の府予算では、地方交付税など約300億円を減らされ、日本共産党の指摘の正しさが裏付けられました。当時の議会後、山田知事は「(国に)騙された」(04年5月「三位一体改革推進列島縦断シンポジウム.京都」)と自らのあやまちを認めました。
 民主党政権は、地方向け補助金・負担金を「一括交付金化」し、地方向け補助金の減額を目論んでいます。
 補助金の8割を占める社会保障・文教関係費が減額となり、福祉や教育をばっさり切り捨てられます。
 日本共産党は「福祉・教育への国の責任を投げ捨てる『一括交付金化』に反対。住民の暮らしを守るために地方財源の確保を」と訴えています。(「週刊しんぶん京都民報」2010年12月5日付)

三位一体改革 地方自治体へ税源移譲する代わりに、国庫補助負担金や地方交付税などを削減・縮小するもの。