日本共産党宇治市議団(水谷修団長、7人)は1日、声明「市議会議員定数削減・報酬、議員・議会のあり方について」を発表しました。
 全文は以下の通り。
 不況のもとで市民生活が大変な時、また、福祉や教育を後退させる政治のもとで市民が苦しめられている時、こんな時こそ市民のために働く市議会議員の役割はますます重要です。市議会議員の仕事は市民の声を市政に届けて実現することと、市民の立場で市政をチェックすることです。
 市民のみなさんの「税金のムダをなくしてほしい」「議員は市民のためにもっと仕事をすべき」という思いは当然であり、私たちも思いは同じです。
 宇治市議会で自民党市会議員団が、12月議会で定数削減議案(2削減)を提案すると表明しました。
 議会改革に、いっかんして取り組んできました
 13年前、私たちが8議席(議席占有率25%)に躍進したことを契機に、市議会の常任委員会の全面公開・傍聴自由化、全員協議会・常任委員会の全文会議録化など、全国に先がけた議会改革をすすめてきました。
 そして、前回市議会議員選挙に基本政策には「議会改革の推進」として、「市議会・委員会活動の活性化等、議会の役割をつよめ、市民の声が市政に反映できる様に改革」「海外視察の凍結」「政務調査費は市民に全面公」を公約しました。
 前回の市議選後、私たちは、議会改革を提唱してきました。その結果、議会運営委員会でまとまった「議会改革」は次のようなものです。
 政務調査費は使途を厳格にし、全てに領収書の添付を義務付け議会図書室において市民がいつでも閲覧できるようにしました。こうした積極公開は全国初めての取組です。
 請願審査にあたって請願人が常任委員会に正式出席して発言できるようしました。これは全国的に例のない先進的なものです。
 一般質問のインターネット録画配信、一問一答方式の導入、市出資法人(第3セクター)の議会への報告義務の範囲を拡大、傍聴席のバリアフリー化など、議会への市民参加と議会権限の拡大をしてきました。また、他会派が反対してきた「宇治市議会だより」への発言者氏名の掲載も実現しました。
 こうした「議会改革」は私たちが提案してきたことす。
 また、私たちは海外視察の見直しなども提起しましたが、他会派の同意が得られず実現できませんでした。
 さらに今、議会基本条例制定に向けて市議会が取り組んでいます。
今後とも、議会への市民参加と議会の役割強化をはかり、市民に役立つ議会に改革していきます。
 暮らしが大変だからこそ、市民のためにしっかり働く議会と議員を
 市民のみなさんの「議員を減らすべき」との思いの背景には、何があるのでしょうか。
 安上がり教育のために、小学校の中に消防署をつくろうとしたり、小学校の敷地に中学校を併設しようとしています。また、保育所待機児童が急増している最中に公立保育所の廃園、学校統廃合推進、など市民にとって困る事を強引に押し進め、また、子どもの医療費無料拡充や住宅リホーム助成制度など、市民の要求は拒否する、という市政がすすめられています。こうした市政を推進しているのが民主党・自民党・公明党の市議会議員さんたちです。
 さらに国の悪政もあいまって、「政治や政治家」が市民・国民のために役立っていない、との実感を、市民のみなさんがお持ちではないでしょうか。
 「市長の提案に何でも賛成し、チェック機能を果さない議員」は選挙で審判を下すべきではないでしょうか。私たちは、市民の立場ではっきりものを言い、しっかり働く議員こそ必要と考えています。
 市政と市民をつなぐパイプを弱くする定数削減には賛成できません。
 「定数削減」については、どう考えたらいいのでしょうか。首長と議員がそれぞれ住民の直接投票で選挙される「二元代表制」を憲法で定めています。二元代表制の一翼の市議会議員がもっと役割をはたさなければなりません。
 議員定数は、市民の多様な意見をより正確に反映させることができる規模が必要であり、地方自治法で人口ごとに上限定数が決められています。宇治市の場合34人で、現在の30人はそれすら4人下回っており、人口あたりの議員の数は府内一般市のなかで飛び抜けて少ない状況です。
 議員定数の削減は、住民の声が議会や行政に届きにくくなり、住民サービスの低下につながるものです。むやみな定数削減には、私たちは賛成できません。
 私たちは、「選んでよかった」「役に立っている」と言われる議員をめざして全力をあげたいと思います。
 議員報酬の削減を提案します
 私たちは「ムダ遣いをなくして欲しい」との声に応えた様々な提起をしてきました。たとえば、この間も城南衛生管理組合の「焼却灰溶融施設」の運転が中止されることになりましたが、これは私たちが当初から提案してきた事です。このことによって宇治市の負担(運転コスト)は年間9400万円削減されることになり、市民のための財源が確保されたことになります。こうした市民のための財源づくりのために積極的に努力してきました。
 これまで自民党などは、議員定数削減の理由・目的を財源づくりと説明してきました。
 「財源のため」というのなら、市民の声を切り捨てる事につながる「定数削減」ではなく、「市議会議員の報酬引下げ」を行うべきではないでしょうか。定数削減で市議会議員に痛みはありません。「定数削減」で痛みをこうむるのは、声を切り捨てられる市民です。
 定数(現行30人)を2人削減する削減額は、議員報酬月額53万5000円を50万円にすれば、確保できます。私たちは議員報酬の削減を提案するものです。
 定数が削減された4年前、市議会議員の「費用弁償(1日5000円)は廃止すべき」と私たちが提案。これに民主・自民・公明・社会が反対しました、その後世論に押されて、結局全員一致で廃止することができました。
 私たちは、議会改革をさらに推進し、議会が市民に役立つように改善させてまいります。そしてさらに切磋琢磨し、市民のお役に立つ議員活動に努めたいと決意を新たにしています。
 この機会にぜひ、市民のみなさんの率直なご意見・ご指摘をお願いします。