京都市に公契約条例の制定を目指して弁護士や研究者、労働組合らの呼びかけで23日、京都市中京区でシンポジウムが開かれました。
 公契約条例とは、自治体が発注する公共工事や物品購入などの「公契約」にかかわる業務に対し、自治体に適正な金額の発注を行うとともに受注企業に適正な賃金と労働条件を守らせる責任を負うよう定めたもの。
 200人が参加し、呼びかけ人の1人、中村和雄弁護士をコーディネーターに、岡田知弘京都大学大学院教授、JEMAエレベータメンテナンス事業協同組合の岩島伸二代表理事、河村泰三京都電工株式会社代表取締役、千葉土建一般労組野田支部の赤羽根伸一書記長らが発言しました。
 岡田氏は、地方自治体の「構造改革」で公共サービスの市場化・民営化が進められ、物件費や人件費を圧縮によるサービスの低下を招き、官製ワーキングプアなどの貧困を生み出していると指摘。公契約条例により、住民サービスの質は向上し、地域経済の振興にもつながると強調しました。
 岩島氏からは「京都市は2004年に初めて随意契約から入札に切り替わり、私らは仕事をとれるようになった。地元業者が参加できる仕組みがほしい」、河村氏は、「今年2月に市教委発注の学校への地デジTV納入工事を大手企業が独占したが、同業者や京商連と協力して地元業者に分割発注させるようにした」と述べました。
 赤羽根氏は、全国初の公契約条例を制定した千葉県野田市では、最低賃金が引き上げられるようになった成果を語りました。
 中村氏は、「労働者・業者の暮らし公共サービスを守る公契約条例の制定を京都市で実現するために、力をあわせましょう」と呼びかけました。