「一括」やめ「分割」発注させる 府立高校へのデジタルTV、PC設置

 深刻な経済危機の中で府内の各日本共産党議員団は、業者や府民から実態調査・聞き取りを行い、「景気を回復させるために地元業者への仕事おこしを」と求め、政治を動かしてきました。その中で大きく運動を広げ、成果を上げたのが学校にデジタルテレビやパソコンを設置する国の「スクールニューディール」施策をめぐる問題です。

スクールニューディール

 「共産党の議員さんの対応は素早かったですね。私の会社も落札することができ、仕事も増えました。市や府議会、国会でも共産党の議員さんが中小業者のために動いてくれたのが大きかったと思います」
 こう話すのは、スクール・ニューディール問題で市や府に申し入れてきた「京都電工」社長の河村泰三さん。河村さんは、1月29日と2月1日に大手・「ヤマダ電機」が独占的に京都市のデジタルテレビ納入を落札したことに府内の業者としては最初に抗議の声をあげ、府・市に地元発注を働きかけました。

国会と連携し府の論拠暴く

 河村さんらの訴えに、素早く応えたのが日本共産党でした。同党の京都市議団(山中渡団長、19人)は2月8日、同府議団(新井進団長、11人)は同月16日、「地元業者が受注機会を増やせる仕組みにせよ」と京商連などの業者団体とともに要求しました。しかし、京都府は、こうした要求が出ていたにもかかわらず22日にデジタルテレビ発注(府立高校69校、191台分)を府内一括で実施しました。その結果、通信機器大手の「大塚商会」が落札し独占しました。
 スクール・ニューディール施策は、国が学校施設の情報化などを進めながら、地域の業者への緊急経済対策として実施されたもの。同党府議団は「同施策の趣旨に沿い、地域の中小企業の受注機会の増大に務めるべき。地元業者が参入できるよう分割発注すべき」と何度も追及。これに山田知事は「(分割発注では)WTO(世界貿易協定)に違反すると文部省から指摘された」と主張し、要求を拒否し続けました。
 ところが3月の衆院経済産業委員会で同党の吉井英勝衆院議員がこの問題を取り上げて追求したところ、文科省は「分割がいい悪いということを申し上げていない」、外務省も「(WTO違反との外国政府からの苦情について)承知していない」直嶋経産相は「一括より分割したほうが望ましい」と答弁。京都府の主張が論拠のいい加減なものであったことを明らかにしました。

要請によって地元落札増加

牧野理事長/原田府議

 6月府議会の一般質問。同党の原田完府議が次回行われる教員向け2500台のパソコン発注を「一括でなく、分割発注すべき」と求めました。府はパソコン納入を8地域に分割発注し、校内LAN工事は府内業者による指名競争入札を実施すると発表しました。入札の結果、パソコン、LAN工事の多くを府内業者が落札しました。
 京都市の場合、初めの2回(1月29日、2月1日)の入札で同事業を「ヤマダ電機」がほぼ独占したことに対し、同党京都市議団はいっかんして地元業者の受注機会を増やすよう求めてきました。
 同党や業者団体らが2月8日に申し入れなどを行って以降、地元業者の落札が大幅に増加。7月21日行われた京都市の入札では10校分すべてを市内業者が落札しました。
 京都府に対して、地元業者に配慮し分割発注を求めてきた、京都府電機商組合の牧野伸彦理事長はこう話します。
 「共産党の議員さんたちは中小業者のため、議会で何度も取り上げてくれるなど本当に頑張ってくれたと感謝しています。入札結果は、地元企業に一定仕事が落ちて良かったと思いますが、もっと地元や中小業者が仕事を受けやすい仕組みにしてほしい。不景気で大変な状況が続いていますので、行政は地元・中小業者の仕事おこしを本格的に取り組んでほしいと願っています」

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助成制度など次つぎと実現 日本共産党議員団

 業者や住民が深刻な経済危機で苦しむ中、日本共産党の議員団は業者を救う施策を求め、実現させてきました。
 同党府議団の粘り強い追求により、返済期間の延長など中小業者むけの融資制度の改善、公募型公共事業の実施、雇用調整助成金の改善、入札制度の改善、伝統産業の支援制度実施などを実現。また、中小業者の家賃や電気代、機械のリース料などの「固定費」への助成を何度も求め、府は9月議会の補正予算案で、一部小規模業者を対象に機械設備リース料などへの助成制度を盛り込みました。
 日本共産党は、業者支援策として、固定費への助成、住宅改修助成制度や小規模業者登録制度の創設、中小企業振興条例の制定などを求めています。

中小業者支援策が実現 助かりました

爲實隆仁さん

 「共産党の議員さんが粘り強く業者支援策を訴え、実現したと聞きました。助かっています」―八幡市で化粧品や商社業を営む「タメザネコスメ」の爲實隆仁さん(51)は喜びます。
 府の小規模業者や商店街などに10~20万円を交付し、売り上げ向上へ事業を支援する「小規模企業下支え緊急支援事業」が今年実施されました。日本共産党が何度も訴えてきた中小業者支援策の一部が実現したものです。
 爲實さんは、春に同事業に申請し、交付が決まりました。内容は西陣織で作ったパソコンのケース販売の企画。交付金は、チラシやサンプル作成費などに使う予定です。爲實さんは、「不景気で売り上げが落ち込む中、少しでも助成してもらえば助かります。小さい業者は仕事がなくて本当に困っています。仕事おこしの政策をどんどん実現してほしい」と話します。(週刊しんぶん京都民報2010年10月10日付)