水族館シンポ 市民団体「京都水族館(仮称)と梅小路公園の未来を考える会」実行委員会が9日、梅小路公園内(京都市下京区)で進められている水族館計画について、生物多様性の観点から討論するシンポジウムを京都市中京区のハートピア京都で開き、生態学や動物行動学の専門家が問題点を指摘しました。
 滋賀県立琵琶湖博物館前館長の川那部浩哉京都大学名誉教授は、「日本動物園水族館協会は、動物園や水族館について、種の保存を目的の第1に掲げ、生物多様性保全の貢献をあげるようになった」と強調し、「京都の水族館とはどうあるべきか、生物多様性保全にどう貢献するのか、将来を見通した計画を明確にすべきだ」と指摘。「水族館が必要なのか、もっと議論が必要だったのではないか」と訴えました。
 イルカを研究する幸島司郎京都大学野生動物研究センター教授は、「水族館計画は、中途半端なものになるならやめてほしいと言いたい。計画段階から研究者と連携して、イルカの生態にあわせた水槽設置や水質保全をはじめ、研究・教育に役立ついいものにしてほしい」と訴えました。
 水族館はオリックス不動産(東京都)が2012年開業を目指し、7月から工事を開始。イルカショーをメーンに年間200万人の入場者が予定されています。