4月の知事選で当時の知事室長が府管理職員らに山田啓二知事の街頭演説を聞きに行くよう促すメールを送っていた問題で、外部有識者らでつくる調査委員会は14日、「組織的な参加要請はなかった」「違法性は認められない」などとする報告書の座長案を府議会総務常任委員会で示しました。日本共産党の前窪義由紀議員は同委員会で、「明確に公選法違反にあたる問題。座長案は認められず、調査委員自身が再度徹底調査すべき」と追及しました。
 この問題は、知事選挙中の4月に前知事室長が、府管理職ら19人に対し、知事が同月に行う街頭演説会への参加を要請するメールを送っていたもので、知事の責任や、公職選挙法違反の「公務員の地位利用」に抵触するかどうかなどが問われています。
 調査委員会は関係職員からヒヤリング調査などを実施。同日示された報告書(座長案)では、「副知事や知事の関与もなかったとされている」「組織的な参加要請の拡がりはなかったものと考えられる」「刑罰を課するほどの違法性までは認められず、現時点では京都府自らが告発をする必要性まではないと考えられる」などとしています。
 前窪議員の質問の中で、ヒヤリング調査を行ったのは調査委員でなく、府職員だったことが改めて明らかになりました。前窪議員は「同僚職員の調査では、客観性がなく、公正な調査ができないおそれがある。ヒヤリング調査は外部の調査委員が直接行うべき。今回の問題は明らかに公選法違反。調査委員が、関係職員、知事や副知事、全職員への調査を徹底的に行うべき」と求めました。