山本宣治生誕121年記念行事 宇治山宣会は5月30日、宇治市内で山宣が暮らした料理旅館「花やしき浮舟園」で、山本宣治生誕121年記念行事を開催、70人が参加しました。第一部の記念講演会、第二部の宇治山宣会総会、第三部は懇親会を開きました。記念行事には山宣の三男・繁治さんのご家族5人(繁治さん、長男夫妻、二男とその娘)、山宣の二女・美代さん、山宣の孫で民医連九条診療所長の勇治さん夫妻が参加しました。
 第一部では庄司捷彦弁護士(国民救援会宮城県本部会長、布施辰治顕彰会)が、「山宣と弁護士 布施辰治~辰治を語って、山宣に及ぶ~」と題して講演。今年は軍国主義日本による韓国併合100年の節目の年。布施辰治は、2004年に韓国政府から朝鮮独立運動に寄与した愛国の士に贈られる「建国勲章」を日本人で初めて授与された人物で、生誕130年を迎えた昨年、映画「弁護士布施辰治」の製作がスタート、現在上映運動が始まるなど顕彰運動が広がっています。
 記念講演で庄司氏は、明治から昭和への戦争が相次ぐ時代に、弁護士資格の剥奪や二度の受刑者生活など厳しい弾圧に屈せず、人権と平和のために献身的にたたかい、弁護士資格が回復された戦後も、占領下の弾圧事件―三鷹事件(弁護団長)や松川事件、メーデー事件などの弁護活動を精力的に務めた布施辰治の生涯を、布施自身が発行した『法律戦線』などの貴重な資料をもとに話し、布施のことばである「生きべくんば民衆のために、死すべくんば民衆のために」を大書した顕彰碑が石巻市の公園に建っていることを紹介しました。そして「憲法擁護の運動を一層広げるためにも映画『弁護士布施辰治』の普及を進めたい、また各地の山宣会に学んで顕彰運動に取り組んでいきたい」と抱負を述べました。
 宇治山宣会総会では、2009年度活動報告と決算報告、2010年度活動計画と予算、会計監査報告、役員選出などが提案され何れも承認・採択されました。(小松正明)