13日告示の宮津市長選(20日投開票)で「宮津みんなでつくる民主市政の会」は5日、市長選に当たる態度を発表しました。
 全文は次の通りです。

 宮津市長選の告示が目前に迫りました。こんどの選挙を前に、「みんなでつくる民主市政の会」(以下「民主市政の会」)は、選挙戦の重大な意義をふまえ、対応方向について候補者擁立を含め、くり返し議論を進めてきました。6月3日には井上市長が記者会見を行い、今後の4年間でどういう市政をすすめるか、「マニフェスト」も明らかにされたところです。こうした事態のもとで、「民主市政の会」は候補者を立てず、井上市長が再選されれば、井上市長の市政運営を市民の立場で見守り、「良いことは良い」「悪いことは悪い」と井上市政に対応していくことを決めました。
 以下、今回の対応に至った根拠について、みなさんにお知らせします。

切実な市民要求実現へ大きな前進

 井上市長はこの4年間、出前市長室や12地区での「地域会議」発足など、市民の声を聞く市政をすすめてきました。また、「民主市政の会」の要望・意見を誠実に聞く態度もとってきました。市政運営に対する立場や見解の違いはあっても、「市民の声を聞く」ことは市政運営にあたり一番大事なことです。
 今回の「マニフェスト」には、「保育内容・サービスを整える」「医療費助成や放課後クラブなど子育て支援」「中学校までの学校給食の充実」「少子化対策と学校教育の充実」「待機者ゼロへ介護施設を充実」「若者住宅の整備」「地域に応じた医療体制整備」「200円バスの導入」「市民の住宅改修を応援」「地産池消の推進」などが井上市長の公約にあります。これらは、市民のみなさんから寄せられている切実なねがいであり、同時に「民主市政の会」の市政政策とも一致します。
 「中学校までの学校給食充実」は前回の市長選で、「民主市政の会」が公約したものです。「200円バス」は、京丹後市で実施され住民から喜ばれています。「市民の住宅改修を応援」は、昨年から与謝野町で実施され、経済効果がきわめて大きいことが証明されており、宮津市でも実現を求める声が広がっています。
 もちろん、これらが一度にすべて実現できるものではありませんが、市民の営業とくらしを守る立場で、一つ一つ実現していくなら、宮津市民の生活が改善されていくものと考えます。住民の声が生きる市政へ大きな前進といえるものです。

「市民が主役」「一人ひとりが輝く」市政へ

 井上市長のマニフェストの中に「基本姿勢」として、市民一人ひとりが輝く「市民主役の市民のための市政」「市民と共に歩む市政」がかかげられました。そして記者会見では、「選挙戦にあたり政党の支援を要請しない市民党の立場」を表明されました。
 徳田前市長が国・府いいなり、市民不在で「丹後リゾート構想」の名による大型開発優先、市民生活切りすての市政を続けました。市民の切実なねがいだった子どもの医療費無料化にも最後まで背を向けていました。そしてできたのが200億円(市民1人あたり約100万円)の借金で、財政再建団体一歩手前まで市財政を破綻させ、その上合併協議の破綻により辞職に追い込まれました。井上市政はこうした前市政とは明らかに違います。

市民が声を上げ、市政をさらに前へすすめましょう

 以上述べたように、私たちは井上市長が明らかにした政治姿勢と公約に対し、一定の評価をするものですが、同時に、井上市政のこれまでの4年間はもちろん、今後4年間の公約すべてに賛成しているわけではありません。
 とくに、「財政再建」のすすめ方には問題があります。前回選挙で私たちは「ゴミ袋有料化」をはじめ、「市民犠牲の財政再建」でなく、「市民のくらし優先の財政再建」を訴えました。私たちは、ムダな開発優先の施策をやめ、徳田前市政がつくった「負の遺産」である「はちまちパーキング」「つつじが丘団地」、さらには、し尿収集体制などにメスをいれるなかで、財政再建をやりながら切実な市民のねがいを実現させ、「一人ひとりが輝く宮津市」へ前進することが可能と考えていますが、ここでは改善方向が示されていません。
 その他、いくつかの見解や立場の違いがありますが、今回の井上市長の「マニフェスト」に一定の評価を加えながらも、それが今後どう実行されるのか、市民の立場でしっかり見守り、「良いことは良い」「悪いことは悪い」と声を上げていくものです。