建設現場でアスベスト(石綿)を吸い込み、健康被害を受けた被害者とその家族らが29日、「京都建設じん肺・アスベスト被害者と家族の会」を結成しました。アスベスト被害者による会の結成は全国で5番目。
 京都市南区の京建労会館で開かれた総会には被害者や遺族、支援者ら37人が参加。総会決議として、▽被害者や家族・遺族同士での医療や制度の情報交換、励ましあう交流の場とする▽被害者と家族・遺族の生活と権利を守る運動をすすめる▽被害の実態を社会に訴え、完全補償の獲得と建設産業におけるじん肺・アスベスト被害の根絶をめざす―とする運営方針を採択しました。
 会長に就任した寺前武夫さん(75)は、自身が3年前、肺がんの手術をした際に初めて被害が判明した経験を話し、「実態を交流し、支えあう組織にしていきたい」と話しました。
 全京都建築労働組合の田辺正男委員長が来ひんあいさつし、「すべての建築労働者が被害の可能性がある危険なアスベストだが、対策や補償は非常に遅れている。被害の根絶・救済を目指してともにがんばりましょう」と訴えました。