京都の名勝地、嵐山で、09年に星野リゾート(長野県)が旅館「星のや京都」(西京区嵐山元禄山町)を開業するにあたり、風致地区の規制を無視した現状変更を行った疑いがあるとして、住民団体が24日、京都市に公開質問書を提出しました。
 質問書を提出したのは、「京都・水と緑をまもる連絡会」と「京都・まちづくり市民会議」の2団体。
 同社は、旧老舗旅館「嵐山温泉嵐峡館」の経営を引き継ぎ、高級和風旅館「星のや京都」として再建することを計画。再建のための現状変更を08年、市に申請しました。市は同年、許可しました。
 公開質問書では、「同社の許可申請内容は、建物の外壁の塗り直しや樹木の伐採。大幅な増改築は計画していないため、市は許可する方針であると報道(08年9月4日付京都新聞)されてきた。実際には、新たな施設建設が行われ、嵐山の景勝を大きく損なっている」と指摘。「市は、同社の現状変更を許可した後、同館開業直前の09年12月に、新たな許可を行っている。無許可の現状変更を追認したのではないか、疑念がもたれる」としています。
 その上で、(1)同社の現状変更が、市の風致地区等の規制の趣旨に照らして、妥当なものか(2)新しい許可を行う以前に、現状変更の工事がおこなわれていたのではないか(3)許可以前に現状変更をおこなったことが事実なら、何らかの措置を取ったのか。現状回復を命じなかったとすれば、その理由について─を4月15日までに、文書で回答するよう求めています。