自動車部品製造会社「ジヤトコ」京都工場(京都市右京区)が、大量の「派遣切り」の一方で、新たに派遣会社を通じて求人募集を行っていたことが分かりました。同社から「派遣切り」され、直接雇用を求めてたたかっている元派遣社員らには一切知らされておらず、元派遣社員らは「まず私たちに声をかけるべき」「なぜ隠れるように募集するのか」と怒りの声を上げています。
 同工場は08年末~09年初めにかけて大量の「派遣切り」を強行していました。新たに求人募集したのは、派遣会社2社を通じ、今年3~4月頃から同京都工場や静岡県・富士工場などで勤務可能な従業員150人。派遣会社のホームページでは、仕事内容として「大手自動車部品製造メーカーにて簡単な部品の組立・運搬作業」、「特別な知識や経験は必要なし」、「ITエンジニアとしての勉強もできる」などと求人募集しています。
 「派遣切り」にあった元派遣社員ら11人は「全日本造船機械労働組合三菱重工支部工作機械栗東分会」に加入し、昨年10月、同社に直接雇用を求めて京都地裁に提訴するなど、たたかってきました。元派遣社員らが労働局に申告したことにより、昨年5月、労働局は同社に直接雇用を図るよう指導していました。また、京都府は同社に雇用確保のための補助金3億6000万円を支払っていました。
 同労組のメンバーは10日、京都府知事あてに、「直接雇用を求めている11人の雇用を優先するよう、ジヤトコを指導すべき」と申し入れました。
【詳細は週刊しんぶん「京都民報」3月21日号】