年金者組合近畿ブロック 全日本年金者組合の近畿ブロックの支部交流集会が17、18の両日、京都市中京区の京都市職員会館「かもがわ」で開かれました。
 130人が参加した全体会では、日本高齢者運動連絡会の山田栄作事務局長、全日本年金者組合の篠塚多助中央委員長が講演し、近畿2府4県各支部代表が先進的な取り組みを報告しました。
 山田事務局長は、「高齢者をとりまく情勢と課題」と題して講演。後期高齢者医療制度など憲法25条の権利としての社会保障制度がゆがめられてきた歴史について詳しく報告しました。また、民主党が、野党時代に野党3党と同制度の廃止を参院で決議したのに、政権与党となったとたん先送りをした上、消費税との絡みも言い出してきていることを批判し、国民運動をさらに大きくすることが唯一廃止への一番近道であることを強調しました。
 篠塚委員長は、10万人の年金者組合作りの重要性と展望について報告。篠塚委員長は全労連に加盟する年金者組合が05年から09年まで約2万人もの仲間を増やし、10万人目前にまでなった経験を語りました。各種の集会などで「どこへ行っても元気なのは年金者組合」、「生き生きしているのも年金組合」ともっぱら評判になっていると指摘。年金者組合こそが地域に根ざしたすべての高齢者を対象にした多彩な人々が集まる組織であり、暖かく、やさしく楽しく、お互いに支え合うことを最も大事にする組織であると強調しました。そして、強大な運動を展開して後期高齢者医療制度廃止、最低保障年金制度実現、無年金や低年金問題を解消していこうと呼びかけました。
 京都から東山支部の倉田伴子さんが「安心して住み続けられるために 東山の仲間づくり」と題して活動を報告。東山は全国でも有数の高齢化率の中で、他団体と協力し、介護保険でできない高齢者生活支援、月1回の食事づくりと会食、地域交流サロン、東山やすらぎ会活動、なら枯れ防止の爪楊枝退治─など地域に根ざした運動を展開しているとのべました。組合員は、5年前に38人だったのが、09年12月には114人になり、高齢者人口の1%を突破したと話すと、参加者からは驚きの声があがりました。
 2日目は2会場で分散会が行われ、後期高齢者医療制度廃止の取り組みやサークル活動や仲間づくりの交流を深めました。(仲野良典)