20091223-03.jpg 水俣病問題について考える「フォーラム 水俣病と地球環境」(同実行委員会主催)が23日、京都市中京区のハートピア京都で開かれ、50人が参加しました。水俣病京都訴訟弁護団事務局長の尾藤廣喜弁護士、不知火・水俣病大検診医師団の門祐輔医師=京都民医連第2中央病院院長=らが水俣病問題と現在の環境・社会問題について討論しました。
 尾藤弁護士が「水俣病問題から何を学ぶか」と題して講演。尾藤氏は、水俣病患者が生まれ、加害企業の「チッソ」と国・熊本県の責任を求めて全国各地で裁判がたたかわれてきた経過を説明。水俣病が想像以上の規模で広がる中、企業や行政が責任から逃れようとしてきたことを批判し、「水俣病は公害の原点と呼ばれています。公害の起こり方や企業・行政の対応、それに対する住民運動など、すべての典型例になっています。現在でも企業の無責任によって労働者の雇用が破壊されたり、地球環境が破壊されるなど、多くの問題が起こっています。こんなことを繰り返えさせないためにも改めて水俣病の問題について考えたい」と語りました。
 門医師は、学生時代に初めて水俣市を訪れて水俣病患者とふれあったエピソードなどを紹介しながら、弁護団に加わって多くの水俣病患者を検診し、奮闘してきたことを報告。「当初の想像を超える規模で多くの方が水俣病になっています。企業や行政の責任は重い。水俣病の検診を広げ、すべての患者を救いだすことが必要」と述べました。
 水俣病不知火患者会の大石利生会長が自身の水俣病被害の実態や患者・原告の思いを訴え、ノーモア水俣近畿訴訟団長の徳井義幸弁護士、水俣病京都訴訟弁護団の中村和雄弁護士と中島晃弁護士が水俣病訴訟のたたかいや現在の問題点などについて述べました。