北野天満宮の大福梅 菅原道真を祀る北野天満宮では25日まで「大福梅の授与」が行われています。大福梅授与の初日13日の早朝から、全国各地より訪れた大勢の参拝者が国宝の本殿前に長い列をつくっていました。
 今年6月に境内で収穫した梅の実を新年御祝用に調理した「大福梅」が裏白といっしょに奉書に包んで授与されます。元日の朝に祝膳の初茶として、邪気を払い、一年間生気に満ちて健康に過ごせるようにと飲みます。元旦に小梅と昆布の初茶をいただくのが京町衆の正月の風習。単なる縁起担ぎかもしれませんが、梅も昆布(ヨロコブ)も体には最良のもの。家族みんなが新年に招福を願うのもまた楽しいものです。
 「大福梅」の起源は951年(天暦5)、京の街に疫病が流行した折、時の村上天皇も病に罹り、この茶を飲んで平癒したというもの。以降、王服(おおふく)と称して毎年元旦にこの茶を服して、万民の疫病邪気を除き長寿・幸福を祈ったと伝えられています。(仲野良典)