サルスベリ 山科区にある真言宗三階派総本山の勧修寺(かじゅうじ)の広い境内では、今、サルスベリが見事な花を咲かせています。
 同寺は、真冬の白梅、春は桜、5月は藤に杜若(かきつばた)、6月からは睡蓮、7月からはサルスベリ、ハス、秋は紅葉と四季折々の草木の花を美しく咲かせます。
 中でもサルスベリは7月から9月上旬まで紅紫色の花が見ごろです。長く花を咲かせるので別名を百日紅(ヒャクジッコウ)と言います。淡褐色の薄い樹皮がはげ落ちたあとが白くツルッとしているのでサルスベリとも。
 勧修寺は900年(昌泰3年)に創建された古い寺院で、江戸時代には徳川家綱や綱吉の帰依を受けて伽藍が整備され、その後もいろいろな建造物も建てられ(書院は重要文化財)ました。また、有名な永室池を中心とする優美な池泉回遊式の庭園は平安時代の作庭と伝えられ、花や鳥のさえずりが絶えず、多くの参観者が訪れています。(仲野良典)