天得院の桔梗 東山区の東福寺5塔頭の一つ、天得院の庭園で杉苔に映える紫や白の桔梗が見頃です。12日から一般公開が始まり、7月17日まで公開されています。
 臨済宗東福寺派に属する天得院は、南北朝時代の1346年~70年に開創され、東福寺境内の西側に隣接しています。 一時荒廃しましたが1614年に再興されました。その後は長老の清韓が秀吉や秀頼の学僧を勤めるなどましたが、清韓が撰文した方広寺の鐘銘文中の「国家安泰、君臣豊楽」が家康の檄に触れて同寺は廃寺されるなど幾多の変遷を経て、江戸後期の1789年に再建されました。
 美しい桔梗が咲く庭園は苔に覆われている枯山水庭園で、春の桔梗、秋は紅葉がこころ和ませてくれます。
 今日は、初日からおおぜいの人が訪れました。上京区から訪れた女性は「はじめて来ました。ちょっと早すぎたようですが、気持ちがいいですね」と語り庭園の縁側に座り込んでほっとしたおももちで観賞していました。(仲野良典)
 石のしたしさしぐれけり 井泉水 (同寺の石碑より)
 紫のふっとふくらむ桔梗かな 正岡子規