ユネスコの世界文化遺産リストに登録されている平等院境内には三カ所の藤棚があります。正門手前や東門手前の高く組まれた棚(平等院藤棚)の藤は満開を過ぎたようです。正門から入って左側の池の手前には平等院で一番大きく、宇治名木の一つにも指定されている藤棚(写真)は満開で、垂れ下がった藤の花が見事です。
 藤の寿命は普通は7、80年といわれていますが、平等院の藤は200年から300年の古木で色、香りと花数も抜群と言われています。奈良の法隆寺近くからきたという女性は「一度は見に来たかった。とてもきれいですね。でも、ちょっと白っぽい藤ですね」とベンチに腰をおろして何時までも見入っていました。毎年、藤を写真撮影しているという男性は「今年は早く咲いて、その後は天候不順。それに、5年に1度の不作の年かな。いつもならもっと深い紫の藤色花が地面まで豪華に垂れさがっているのに」と少し残念そうです。ゴールデンウィーク中は藤の花も持ちそうです。(仲野良典)