政府による、アフリカ・ソマリア沖に海上自衛隊の派遣が強行された翌31日、京都市中京区のハートピア京都で「ソマリア沖への自衛隊を問う学習集会」が開催され、市民ら70人が参加しました。主催は、京都憲法会議、自由法曹団京都支部、京都平和委員会など5団体。
 内戦中のソマリアを6回にわたり取材した写真家の谷本美加さんが、「ソマリアの内戦と海賊、そして日本にできること」と題して講演を行いました。
 谷本さんは、「18年間の内戦で、ソマリアの経済も街も暮らしも破壊されつくしている」と指摘。自身が99年に撮影した首都、モガディシオの荒廃しきった写真を示しながら、「この時点で既に、首都には人が住める状態ではなかった。内戦で人々は仕事を奪われ、生活のために民兵にならざるを得ない。こうした民兵が海賊となり、商船を襲撃する事件が多発しているのが実態。日本は自衛隊派兵をする前に、政情改善などもっとやるべきことがあった」と批判しました。マラッカ海峡の海賊取締り強化のためマレーシアに高速艇を日本が供与し、問題解決に貢献したことをあげ、「周辺国に働きかけ、ソマリアを政治的、経済的に安定させるための総合的対策こそ求められている」と提起しました。
 また、日本共産党の井上哲士・参議院国会対策委員長が、国会に提出されている「海賊対処」派兵新法案の問題点や審議日程などを報告し、「自衛隊の海外派兵の恒久法へつながる危険な新法案を廃案に追い込むため全力をあげる」と述べました。