日本共産党京都市議団(山中渡団長、20人)は12日、京都市が同日発表した2009年度予算案についての団長見解を発表しました。全文は次の通りです。

2009年度京都市予算案について
  ~生活直撃の値上げと負担増を撤回せよ~
     2009年2月12日
     日本共産党京都市会議員団団長 山中渡
一、 未曾有の不況が日々深刻化する中、本日、2009年度予算案が発表されました。その内容は、国民健康保険料を9億3000万円も引き上げることを始め、学童利用料や各種施設使用料の軒なみ値上げで2億9000万円が盛り込まれました。その他にも学校給食費は、4月から総額2億5000万円の引き上げが予定されています。さらに民間保育所補助金の大幅な削減や市立病院に対する補助金など事務事業の見直しによる削減額は56億円にものぼり、多くの市民に大幅な負担増を強いるものとなっています。派遣切りや倒産が相次ぎ、市民生活の不安が拡大する時、市民の命と暮らしを守る地方自治体の役割を放棄し、冷や水を浴びせる予算案となっています。
一、 今、地方自治体が最優先すべきは、市民の命とくらしの破たんを未然に防止し、中小企業を倒産の危機から守ることです。ところが、今回の予算は、直前に発表された「京都未来まちづくりプラン」の「行財政改革・創造プラン」を忠実に具体化したものとなっています。「プラン」ですすめるとした負担増や補助金削減の前提とされたのは3年間で財源不足額が964億円に及ぶとしていたことです。その最大の根拠は政府がすすめる構造改革を前提とした大幅な地方交付税の削減でした。ところが、発表された予算案では、国が構造改革路線の変更を余儀なくされ、地方交付税(臨時財政対策費)が44億円の増額となり、一般財政が見込みより28億円上回る結果となりました。「プラン」の根拠が当初から崩れています。「行革」ありきで市民負担増をすすめることは絶対に認められません。
  一方削るべき無駄遣いや不要不急の事業である市内高速道路油小路線斜久世橋区間、焼却灰溶融炉建設などには、全くメスが入れられていません。
一、 日本共産党市会議員団は、昨年末から緊急対策を求める3次の申し入れを行ってきました。市営住宅の確保や、臨時職員の雇用に続き、今回の予算でも国の財源を活用した680人の臨時雇用枠を確保するなど、一定の対策が盛り込まれました。
 議員団は、今日の深刻な事態から市民の命と暮らしを守るために、国民健康保険料の引き下げ、全ての加入世帯に国保証を交付すること、京都市独自の上乗せも行って雇用枠を大幅に増やすこと、保育所補助金の拡充など、切実な市民要求を実現するために、全力で奮闘する決意です。