東山三六峰の南部に位置する今熊野山と月輪山の麓にある今熊野、泉涌寺界隈の紅葉も今が見ごろ。総門の両サイドには即成院、法音院、戒光寺、新善光寺など小さな寺院が並び、静かな境内は堂塔伽藍が紅葉に彩られ、凛とした風情があります。
 泉涌寺通りの一番奥には左に今熊野観音寺、右に泉涌寺の大伽藍があります。両寺院とも境内も広く、多くの人が訪れます。
西国三十三カ所観音霊場の第十五番札所の今熊野観音本堂には、参拝の人たちが灯したたくさんの蝋燭や線香が並び、みな神妙に手を合わせています。小高いところにある医聖院の塔が深紅の紅葉に浮かび上がり、殊に美しさを引き立たせています。歴代天皇家の菩提所であり、諸宗学の道場である大伽藍を誇る泉涌寺も紅葉が冴えます。特に月輪陵背景の紅葉は幽寂な雰囲気を漂わせ、御座所から御殿にかけての庭園の端正な紅葉も見ごろのようです。
「もう清明が近いので あんなに青空からもりあがって湧くやうに きれいな風がくるですな
 もみじの嫩芽と毛のやうな花に 秋草のやうな波をたてて」(宮沢賢治)

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紅葉スポットDATA
  • 住所:京都府京都市東山区泉涌寺
  • 交通:京阪本線「東福寺」下車徒歩20分
  • 紅葉状況:
  • 紅葉樹:カエデ