17世紀から18世紀、日本から輸出され、ヨーロッパの王侯貴族が競って求めた蒔絵の調度品、工芸品を展示する「japan蒔絵(まきえ)─宮殿を飾る 東洋の燦(きら)めき」が18日から、京都市東山区の京都国立博物館で始まりました。
 同展覧会では、漆と金粉を使って、源氏物語などの文様を輝くばかりに描いた櫃(ひつ)をはじめ、フランス王妃マリー・アントワネットや、ドイツのアウグスト強王らの宮殿を飾った書き物机、香箪笥(たんす)、香合など黄金に輝く蒔絵の品々、約280件余りを展示。
 フランスのヴェルサイユ宮殿美術館やイギリスのヴィクトリア&アルバート美術館、ドイツのピルニッツ宮殿、スウェーデン王室などに残された貴重なコレクションからの展示品で、156件が日本初公開です。
 同館の主任研究員の永島明子さんは「オーストリアの女帝マリア・テレジアは、ダイヤよりも蒔絵の方がいいと言ったというぐらい、蒔絵は当時の貴族を魅了した。日本の誇る芸術品を堪能してほしい」と話しています。
 12月7日まで。