京都市教育委員会が今年2月の市長選に向けて、門川大作市長(前教育長)のインタビューなどを掲載した市販本1400冊を購入し、教育関係団体などに無償配布したのは違法な公金支出などとして10日、市民ら6人が市にたいして、門川市長、高桑教育長ら4人に購入費など約209万円の損害賠償を命じるよう京都地裁に提訴しました。
 訴状では、市販本は発行時期や内容から門川氏の実績宣伝のために編集・製作されたことは明らかで、購入・配布は市教委が組織的に同氏を当選させるために行ったものであり地方自治法・地方財政法に違反する公金支出、物品供与、公務員の地位利用を禁じた公職選挙法に違反する、と指摘しています。
 市販本の購入経過をめぐっては、情報公開資料により、市教委が購入決定したとする日付(支出負担行為所の起案日・決済日)は虚偽で、実際は2カ月以上後の門川氏出馬表明(12月16日)以降に購入決定していたことが判明。虚偽の文書による公金支出として、違法性は重大としています。
 会見で原告住民は、市教委が市議会で追及された際、購入決定が門川氏出馬表明の2カ月前であることを、「選挙目的」との指摘を否定する根拠としていたことをあげ、「答弁はまったくのうそ。実態は書類の偽造であり、ますます選挙のためにやったことがはっきりした。市民として許せない不正行為」と批判。原告代理人の中村和雄弁護士は、「他にも同時期に公費で購入、無償配布した書籍があることが明らかになっています。審理を通じて実態を明るみに出したい」とのべました。
 また、支出負担行為書の起案日・決済日の偽造については、公文書偽造であり、刑事告発も検討しているとのべました。