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大商大事件を語る─林直道大阪市立大名誉教授(10) 2つの抵抗闘争 出席聴講強制制度の撤廃 大阪商大事件

平和・民主主義

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2008年08月20日 14:52

大商大事件を語る─林直道大阪市立大名誉教授(10) 2つの抵抗闘争 出席聴講強制制度の撤廃

 日本学生運動史上の3大事件といわれる「大阪商大事件」について、当時大学生で大商大弾圧の被告でもあった林直道大阪市立大学名誉教授が7日、立命館大学平和ミュ-ジアムで当時の体験を語りました。その内容を12回に分けて再録します。

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 僕らより1年上の糸問屋の息子が誠意をもって、「大学ちゅうところは、先生と生徒が信頼し合っているんだ。だからその先生の講義を聞きたいと思って講義を聞くんであって、単位を取るために無理やり出席させるようなものではないはずだ。大学はそんなところではないはずだ」と言うと、堀先生は「私も同じように考える。こういう制度は私の趣旨にも合わんので、再考の余地ありと思ってるのでと、明日、学部1年の言論の講義が大教室であるので私の考えを伝えておこう」と言ったんです。
 それで私は学年の代表者ということで堀先生の講義を聞きに行ったんです。そこで堀先生は「私は、今の出席を強制するような制度に内心ではあんまり賛成しておらん。できるだけ学生諸君が自発的に講義に出るような方が望ましいと考えるので、出席聴講強制制度というのは廃止するように努力したいと思う」と言わはったんです。
 学生部長をやっててようあんなこと言うたなと思うんですが、それを聞いてみんなザワザワして、上級生が「堀先生が言うたらみんなで闘わなあかんで」と言いました。私はボーイソプラノで「ちょっとみなさん聞いてください。今、堀先生が出席聴講強制制度に賛成でないので、できるだけ元の自由聴講に戻るようにしたいとおっしゃいましたね。そのことを、今この教室にいるみんなで確認しましょう」と言ったんです。
 それが私がこういう運動に入ったそもそもの最初でありました。私はあかんたれで、30人で英語の授業で当てられて準備していても言えなかったんですが、その時は150人くらいでボワンとしてるんで反って言えたんですよ。人の顔見たら言えないですから、天井を見て言ったのが私のデビューだったんです。それが決め手だったんですね。
 学生代表と称する者が学生部に行ったら、海千山千の人がいて「お前らどういう資格できたんや。大体大学は誰もお前ら代表やと認めとらんよ。これ以上ゴチャゴチャ言うんやったらお前らみんな退学にするぞ」と脅してきました。一旦引き上げて第2陣が「あのお」って入って行くんですね。それを上杉謙信クルマがかりの陣といいましてね。3回目くらいで、これはもうあかんわと思ってたんですね。そうしたら大学が学生集会所に名簿張って、朝ここで名前の横に判を押したらその日の全講義に出席したものとみなすと譲歩したんです。そんなの友だちが半押したらしまいですからね。
 みんなあんな騒ぎ起こして「憲兵がくる」と言ってたんですが、結局学内だけの騒動で納まって1人の犠牲者も出さずに出席聴講強制制度を撤廃することができました。友だちに話つけといたら何にも変わらない。全部出席したこととみなすんですからね。本当に我々もよくやったと思います。今でも。(つづく)