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大商大事件を語る─林直道大阪市立大名誉教授(1) 日本学生運動史上の3大事件 大阪商大事件

平和・民主主義

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2008年08月14日 16:41

大商大事件を語る─林直道大阪市立大名誉教授(1) 日本学生運動史上の3大事件

 日本学生運動史上の3大事件といわれる「大阪商大事件」について、当時大学生で大商大弾圧の被告でもあった林直道大阪市立大学名誉教授が7日、立命館大学平和ミュ-ジアムで当時の体験を語りました。その内容を12回に分けて再録します。

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 いま大阪商大というのがありますがそれとは関係なくて、現在の大阪市立大学の文科系の前身が大阪商大。戦後、大阪商大と大阪市立医大といくつかの大学が合併して総合大学になって大阪市立大学になりました。大阪商大と言うとどうも同じ大学があるもんですから、現在の大阪市大、それの文科系とご理解いただきたいと思います。

 日本の学生運動史上に色んな事件が起こりましたが、3つの事件と言われている事件があります。一つは早稲田軍研事件。これは陸軍次官が早稲田にやってきて、軍事研究団というのを早稲田の中につくって大学の中に軍国主義を導入する戦法にしようとしたんですね。それに対して学生自治会が4000人の大集会を開いてこれを阻止するという、大事件があったわけです。これが1番最初です。

 2番目は滝川事件です。昭和8年に当時の文部大臣が、京都大学法学部の教授であった滝川幸辰(たきがわこうしん)教授の刑法に関する考え方が非常に自由主義的であるのでやめさせようとしたんです。それに対して、京都大学法学部の教授をはじめとして多くの教員が反対する。学生自治会猛運動をやって全国に広まり、解職の取り消しと滝川教授の復職を求めた大運動が広がりました。これが2番目に大きな事件でありました。

 第3番目とされるのが戦争の末期、昭和18年から表面化し始めた大阪商大の事件であります。これは約100人近くの関係者がいて、当時としては非常に大きな事件だったわけです。しかし戦争中ということもあって、こんなことを知られたら戦意に大きく影響するということで極秘裏に処理したので関係者以外ほとんど知らない内に終わった事件でした。

 最初の早稲田軍研事件が1923年、滝川事件が1933年、大阪商大事件が1943年と不思議に10年ごとに起きていまして、経済恐慌が10年周期に起こるというのはありますが、日本の学生大運動も10年ごと大きな山場を迎えているのですね。

 最初の早稲田軍研事件が起こった2年後に、政府は国内の体制に否定的な運動を恐れて治安維持法をつくりました。国体の変革と私有財産制度の否認これを目的として結社を組織し、それに参加したもの重罰を加える法律でした。1928年改定案が出され国会で審議未了になると緊急勅令と言う形で改定案を通し、その中には国体の変革に該当する者は死刑にするという条項まで加わったんですね。さらに1941年にもう一度改定案が出され、いったん裁判が終わって釈放された人でも刑期を終えたものでも、転向しない者あるいは転向不十分だとみなされたものは刑期満了後もなお予防拘禁できるというような、人権無視の条項までが付け加えられたのです。それから宗教人、無党派知識人、自由主義者への適用も追加されたんですね。そのために大本教などの宗教団体も大変な弾圧を受けました。(つづく)