墨・彩の競演 日中平和友好条約締結30周年を記念し、冬冬芸術文化交流会は「墨・彩の競演」を法然院(京都市左京区)の南書院で開いています。
 書家の田口梅屋(たぐち ばいおく)さんと宓冬瑩(ミー・トンイン)さんの、梅屋書と冬冬水墨画が展示されている会場は法然院の広い畳間の書院で、障子の向こうは庭園で新しい画風の書と水墨画が並び、静寂さの中にも躍動感があふれる雰囲気。10数点の斬新的な梅屋さんの作品は、床の間の旦という漢字一字の書(約95センチ×約90センチ)が掛けられ、障子には宓さんの3点の生き生きした菖蒲画(60センチ×51センチが3点)など10数点が掛けられています。
 2人は「法然院は以前にたまたま訪れた寺院で展覧会が開けたこと、そして京都で開催できて嬉しいです」と話しました。
 田口さんは高校で書を教えながら農業と制作に励み、書の源淵をもとめてたびたび中国を訪れ表現の根元を探る自然派書家です。中国や日本での展覧会・個展を開いています。
 宓さんは中国美術大学卒業後、視野を広げるために日本に留学し宝塚造形芸術大学博士課程を修了、芸術学博士号を持つ水墨画家。中国政府の「日中芸術交流大使」に任命され、宝塚造形芸術大学の講師や全日本中国水墨界連盟理事などを務めています。宓さんは「中国の伝統的水墨画に現代の新しい画風を取り入れる創作」活動を精力的に取り組まれています。
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 会期は18日から23日(毎日午前10時から午後4時まで)。問い合わせはTEL06・6362・7180(冬冬芸術文化交流会)まで。(仲野良典)
※ 「宓」:閲覧環境によっては文字化けしている可能性があります。表記はウ+必です。