茅の輪くぐり 845年6月25日は菅原道真の誕生日といわれ、道真を祀る北野天満宮では御誕辰祭が営まわれました。
 またこの日は夏の酷暑を庶民が健康に過ごせるようにと、桜門と本殿との間に特設された「茅の輪くぐり」(400年前ころから始まったといわれ、「夏越しの天神」と呼ばれる)を大勢の人がくぐり、健康を祈願しました。
 早朝の桜門の大茅は直径約5メートルで周山で刈り取られた茅萱(チガヤ)を束ねた輪ですが、下の方は取り払われて茅を持ち帰ります。社頭では小型の茅の輪や大祓人形(オオハラヘヒトガタ)などが授与され、罪や汚れを流して健康と幸せを祈願をしています。地元京都はもちろん、全国からの参拝客、海外からの観光客や学問成就(「茅の輪」チノワ=チエノワとも言われる)を願う修学旅行生などが訪れて楽しそうに輪をくぐって祈願していました。
 なお、京の「夏越し大祓」は大半の神社では6月30日(夏大祓、名越祓、六月祓)、12月末(年越祓、除夜祭)の2回行われています。(仲野良典)