近畿原爆症認定集団訴訟で大阪高裁(5月30日)で勝訴した小高美代子さん(83)=京都市南区=が厚労省の認定を受け20日、京都市中京区の京都弁護士会館で府から認定書を交付されました。新基準による府内の認定は5人目。
02年に認定申請を却下され、03年に提訴。6年に及ぶたたかいが実ったものです。
 小高さんは、国の新基準で「積極的認定」の対象となっていない甲状線機能低下症での認定です。高裁判決は「被爆者において発生頻度が高い」と指摘し、原爆症として認定。判決を受け、枡添要一厚労大臣は10日、最高裁への上告断念を正式表明していました。
 交付後の記者会見で小高さんは、「私が甲状線の疾病で認められたことが、他の原告の方の認定にもつながってほしい。原告は高齢化しており、いつまで生きられるかわからず、原告全員を早く認定して欲しい」と語りました。
 弁護団の久米弘子弁護士は、国の新基準が不十分なものであることを示した高裁判決の意義を強調。「新基準を改め、原告全員を認定し、集団訴訟を解決すべき」と語りました。