水野恵個展 江戸期の御用印判司「鮟鱇窟」主で京都の古伝道統の篆刻を継ぐ水野恵氏(77)の個展が上京区の織成館で始まりました。会場には20数点の軸や屏風、篆刻とともに、今回初出展の傘の書10数点が展示されています。
 軸や屏風には、水野氏独特のアイロニーを効かせた言葉が満載。「覚りを啓く そいでどうなる」「なんにも知らん奴がええかげんな事言ふな」などの書のほか、傘には「存在を問う存在」「死ぬまで練習 死んでも修業」などユニークな言葉が書かれ、思わず笑いももれます。傘の文字はサインペンで書かれたもの。水野氏は「だれもしていない試みをやってみようと思った。やってみたらものすごく面白い。もっと字を楽しんだらいいと思う」と話していました。29日まで。
 22日午後1時からは、織成館別館で「老荘・佛教と職人」と題して水野氏が講演します(要入場料)。問い合わせ先は織成館TEL075・431・0020。