金剛王院のアジサイ 醍醐寺の数ある塔頭の一つ金剛王院(別名を一言寺といい本堂は1810年の再建。江戸時代を代表する建築の一つ)ではアジサイが見ごろです。醍醐寺の南800メートルほどの醍醐山の懐にありますが、この近辺で育った人たちが10品種5000本の苗を植え、今では見事な白、ピンク、紫のアジサイを咲かせるようになりました。
 住職の岡田祐雄さんは「タマアジサイ、ヤエアジサイ、中でもガクアジサイ系統のスミダノハナビもいいですよ」と言われます。東京隅田川での花火のように一点から四方へとパッと散らばる額をつけます。
 岡田住職は「たくさんアジサイがありますが手入れも地元の人たちがなさっています。アジサイは白、薄いピンクから紫と変化、心移りするのを忌み嫌って昔は植えなかったのですが、最近はそんなことにこだわらずにこの境内みたいにかわいい日本アジサイや大きな西洋アジサイなどが寺社にもたくさん植えられるようになりました」と話されます。
 本堂前の広く静かな境内のあちこちに咲くアジサイはバックの竹林に映えてこころ和ませてくれます。(仲野良典)
 「紫陽花や はなだにかはる きのふけふ」(正岡子規)