第2次大戦終戦時に元日本軍将兵約60万人が旧ソ連領のシベリアで抑留され、強制労働をさせられたのは、日本政府に責任があるとして、抑留体験者ら30人が政府を相手取り賠償請求を求めた「シベリア抑留国家賠償請求裁判」が18日、京都地裁で始まりました。
 同日の第1回公判で、照屋林昇さん(84)が原告を代表して抑留体験を語りました。弁護団が、訴訟の趣旨として、シベリア抑留は当時の政府が国体護持のために中国東北部にいた将兵や邦人をいけにえに差し出した「棄兵棄民政策」によるものであることを述べました。
 弁論の最終に弁護団の村井豊明団長が、「被告(国)は、事実関係を何1つ抗弁していない。原告らの訴えの根源にあるシベリアでの過酷な労働や生活が事実であったかどうかさえも反論していない。次回までにきちっと答えてほしい」と要請。原告や支援者ら60人が参加した公判後の報告会では、弁護団事務局長が、8人が追加訴訟したこと報告し、国の「棄民政策」を追及する輪を広げようと訴えました。(中村秀利)