「阪神大震災の教訓を忘れず市民のための防災のあり方を考える会(略称・防災を考える市民の会)」は23日、宇治市内で「会」結成8周年のつどいを開催し、「会」活動報告と日本災害復興学会の初代会長に就任したた室崎益輝・消防庁消防研究センター所長の記念講演が行われました。
 「安心につながるまちづくり」について阪神大震災の教訓を踏まえて語った室崎氏は、震災遺族からの「聞き語り調査」について触れながら、「一人一人が死ぬ背景には色んな問題がある。阪神大震災では親に負担をかけてはならないとの思いで、安アパートに住んでいた学生が多数死んでいる。あの寺田寅彦の残した資料から当時の火災が再現できるように、きちっと事実を残すことが大切である。曖昧なデーターだけでは本当の姿が見えない」と語りました。
 活動報告では、紺谷吉弘好事務局長が国交省が進める天ヶ瀬ダム再開発計画の問題点と天ヶ瀬断層の実態について、「放流量を増やすことによってかえって水害の被害が大きくなり、歴史的景観が損なわれる。また、ダムの真下に断層が通っており、崩落事故の多い岩盤状態からみて、出口直径26メートルもの巨大放水路トンネルの建設は危険である」と述べました。