浄土宗総本山の知恩院三門(国宝・横50メートル、高さ24メートル)は南禅寺三門や東本願寺大師堂門と共に京都三大門として知られています。今回、同寺の経蔵(重文)、勢至堂(セイシドウ、重文)と共に特別公開され多く参拝者が訪れています。
 写真の三門(三は空・無相・無願の三解脱門を意味するといわれている)楼上内部はかなり広く、中央には釈迦牟尼佛像、脇壇には写実的な一六羅漢像などが安置され、天井、柱、側壁などには極彩色の龍や天女など描かれて極楽浄土の世界が展開しています。
 長野県からの女性の参拝者は「よく京都に来てます。知恩院さんは本山でお参りにきてますが、今日は偶然に公開されていて訪れました。いつも三門をくぐってますけど、門の上にこんな立派なところがあるとは。今日はとてもうれしいです」と仏像や四面の壁や天井などに見入っていました。また楼閣西側欄干からは京の町や雪の愛宕山や左大文字などの眺望が広がっています。
 御影堂の東側にある1621年建立の経蔵も一見する価値があります。内部は回転式の八角形の輪蔵(釈尊を内包するという)とよばれる約6000巻の経が納められ、周囲の壁、柱、天井全面の極彩色の絵画は圧巻。
 なお、非公開文化財特別公開は対象8箇寺、京都市、京都市観光協会の主催で、3月13日まで開催されています。普段観られない各寺院の選りすぐられた文化財は圧巻です。(仲野良典)