元京都市役所幹部の12氏が連名で9日、17日投票の京都市長選挙に当たり「企画労務型市政」を断ち切り、「健全な京都市政を再建するために」とする訴えを発表しました。
 12氏は、清水武彦(元経済局長、前京都市職員退職者会会長)、浅野美智子(元市立病院総看護婦長)、飯沼昭男(元左京区役所副区長)、狩野勝也(元水道局総務部長)、寺田富夫(元伏見福祉事務所長)、豊田慶治(元市民相談室長)、西村清忠(元上京区役所副区長)、藤江正昭(元児童相談室長)、藤田健(元下京区役所副区長)、三谷直之(元勤労市民室長)、三家多賀成(元市立醍醐図書館長)、山口英太郎(元民生局長)の方々です。
 訴えの文書は以下の通りです。
 私たち京都市役所退職者有志は、京都市職員による不祥事の続発を市民の方々に真に申し訳なく思い、退職者を含めた全ての関係者が心を一つにして一日も早く健全な京都市政の再建に当たることを願っております。
 そのためには、従来のしがらみにとらわれず、市民の目線に立った感覚と識見で市政を指導できる方に市長になっていただきたいと考えています。
 1996年以来3期12年間続いた桝本市政の特徴は「京都市教育委員会・企画労務型」というべきものでした。
 京都市教育委員会の企画労務係という職制は、市教職員組合に対抗するために1956年に総務課に特設された労務対策の専門組織であり、かつ、教育長の特命による調査・企画立案、市議会関係事務、報道機関との連絡調整、他の部や室の所管に属しない事項を所管する市教委の中枢機関です。その性格上、物事を敵か味方かの視点から判断しがちです。
 桝本氏の行政経歴は企画労務係員~同係長~総務課長~次長~教育長という企画労務畑に偏したものでした。 従って、桝本氏は、与党有力者や地域ボスには迎合する反面、批判勢力は敵視し、一般市民には上から教示する姿勢を取りました。市役所の主要ポストを自分に従順な市教委出身者で独占する反面、批判的意見を持つ幹部職員には恫喝的態度で臨むなど、独善的な市政を行ってきました。 このため、行政の公平性、民主性が失われ、職員の士気は著しく低下しています。
 京都市役所には、大正デモクラシーの推進にも貢献した旧社会課の名誉と伝統を受け継いで、平等・民主・公正を重んじる空気が高山市政から田辺市政まで続いてきました。
 私たちは、「桝本市政の継承」によってこれ以上「企画労務型市政」が継続するならば、市役所内の屏息感はますます強まり、この良き伝統が失われることを憂えます。
 今回の市長選挙にあたって、「企画労務型市政」を断ち切り、健全な京都市政を再建するために皆さんの権利を行使してくださるよう訴えます。