紫式部が源氏物語を創作したと伝えられている大津市の石山寺で27日、本尊の如意輪(ニョイリン)観音や脇侍の蔵王権現(ザオウゴンゲン)、執金銅(シコンゴウ)などに供える120キロ分の鏡餅が午前中いっぱいかかってつかれました。石山寺の石山寺辺町の有志や僧侶など約30人が早朝から鏡餅つくりに精を出します。力一杯つきますが、重たい杵(きね)が時折臼にコツンと当たり、「ワー危な!」「しっかりつけよ!」の声も飛び交っての楽しい餅つき。同寺の座主(ザス)鷲尾遍隆(ワシオ ヘンリョウ)さんが総指揮をとりながら「本堂の仏様はじめ、寺内の150ヶ所にお鏡を供えますので大変です。ここのお鏡さんの積み上げる型が独特で昔から珍しいのですよ」と話します。丸めた餅を何段も積み重ね、それに昆布を被せてダイダイをてっぺんに置きます。座主は「仏さんの遺骨が納められているストゥーパ(塔)の形になっているんですよ」と説明してくれました。(仲野良典)