2008年の干支は十二支の第一番目の子(ね、ねずみ)。狛犬ならぬ狛鼠が京都市左京区の「哲学の道」から少し入った鹿ヶ谷の大豊神社にあります。鹿ヶ谷村や南禅寺一帯の地主神を祀る同神社の創建は887年(仁和3)と伝えられています。応仁の乱などの戦乱ですっかり荒廃して、その後建立された本殿、拝殿と狛鼠の大国社(写真)など幾つかの末社を残すのみですが、縁結び、商売繁盛、火難災難厄除けなどの御利益があるとかで参拝者が絶えません。
 狛鼠のいわれは、大国命主(おおくにのぬしのみこと)が多難な恋の成就にチャレンジしたが、燃えさかる野火に囲まれた時に鼠が避難の洞窟に導いて命拾いをしたとの神話からで、縁結びの御利益があるとか。正月元旦には子の御利益にあやかる人々が多数訪れるとのことです。(仲野良典)