大正時代の紡績工場で働く過酷な女子工員の労働実態を著した「女工哀史」の出版80年と、著者の細井和喜蔵(1897年─1925年)の没後80年を記念した「『女工哀史』から80年」がこのほど、出版されました。
 記念誌は「細井和喜蔵を顕彰する会」(松本満会長)が編集したもので、会長は、あとがきで「『雇用破壊』が進み、『格差社会』が問題となっている今日こそ、和喜蔵と『女工哀史』が見直されるべきだ。その気持ちをこめて記念誌のサブタイトルを『和喜蔵の声が聞こえる』とした。少しでも多くの人に和喜蔵を知ってもらいたい」と語っています。 同誌は和喜蔵の3枚だけ残る貴重な写真や、詳細は不明な事の多い生涯を当時の資料にもとづき発掘。全集にも収められていない小説「モルモット」なども掲載されています。
 A5判、226ページ、、税込1300円。発行は「あまのはしだて出版」、問い合わせ先、TEL0772・22・0018。