アフガニスタンを中心に、医療や農業の支援活動に取り組んでいる非政府組織「ペシャワール会」現地代表の医師・中村哲さんが25日、京都市左京区のノートルダム女子大学で開かれた講演会(ピースウオーク京都主催)のために京都入りし、米軍空爆や「アフガン復興」を掲げた外国軍進駐により、貧困や治安悪化がいっそう拡大している現状を報告しました。
 中村さんは、アフガニスタンが人口(2500万人)の9割が農業を営む農業国家でありながら、00年夏以降の大干ばつによる砂漠化の拡大で、100万人が餓死線上にある窮状を紹介。一方で、米軍の「報復爆撃」に始まる6年間の戦乱で、罪のない市民が無差別に殺されるだけでなく、ケシ栽培や売春の広がり、治安悪化がすすんでいるとのべ、「『アフガン復興のための外国軍進駐』という報道は、180度違う。軍事介入が混乱をひどくしている」と訴えました。
 参加者との質疑応答では、真のアフガン復興には、「アフガンのことはアフガン人が決める、武器の禁輸、農業支援で自給自足の復活。この3点が必要」と指摘。また、米軍主導の「対テロ戦争」を支援する日本への印象について、「『非核3原則』を持ち、外国に武器を売らない日本の外交姿勢は現地の人から高く評価されてきたが、インド洋上での給油活動の継続をめぐっては、『日本よ、お前もか』との声がある」とのべました。