京都の風景を版画で描き続ける井堂雅夫さんが、5年がかりの大作「平成版浮世絵『京都百景』」をこのほど完成し、ギャラリー雅堂(京都市北区)で展覧会をおこなっています。
 今回、江戸時代の浮世絵の手法通りに作り上げることで、版画の技術と後継者を育成したいと、従来と違い、井堂さんは絵師として絵を描くことに徹しました。10年ががりで育ててきた若手の彫師が線を彫り、多彩な色を調整しながら刷り上げる摺り師との共同で、作品を創り上げました。
 「百景」は、東山、嵯峨野、洛北などの10の地域を10景ごとに選んで、四季折々の京都の美しい風景を描いています。きものの染色を出発点にした井堂さんならではの、色彩豊かで情緒あふれる作品となっています。
 12月25日まで。午前10時─午後6時まで。摺りの実演が23日、24日、25日の午前10時─午後4時まで行われています。問い合わせ先は、TEL075・464・1655。