「『源氏物語』と香」をテーマに香老舗松栄堂主人の畑正高さんが27日、京都市中京区内で講演しました。源氏物語千年紀事業連続講座「源氏物語の世界を知る」として行ったもの。
 畑さんは香文化はインドから中国を経て日本に伝わり、平安時代には貴族社会の中で、芸術的な文化として発展してきたとし、 『源氏物語』には、様々な形で薫物が登場し、物語のドラマ性を高めていると指摘。「梅枝」では、秘伝の調合で薫物を光源氏が作ろうとしていることに、紫上が対抗しようとした描写をとりあげ、当時の貴族が自分の感性で薫物をつくり、生活に取り入れて楽しんだ様子を紹介しました。
 香の楽しみ方は、「組香」や『源氏物語』の帖の名前にたとえて、香の組み合わせを当てる「源氏香」という名前で、現在も生き続けています。香の文化は、平安時代から現在にも生き続けているとのべました。