奥琵琶湖と余呉湖との間に連峰にある賤ケ岳(しずがたけ)の標高432メートルの頂上は360度の大パノラマ。琵琶湖八景の神秘な奥琵琶湖、羽衣伝説で知られる深淵な余呉湖の絶景、眼を転じれば田園に点在する古墳群や遠く伊吹山、鈴鹿の山々も一望。そして赤トンボが飛び交う頂上では、名残惜しむように咲く紫陽花(写真=10日撮影:バックは余呉湖)や白野菊、青紫の釣り鐘型のかわいい沙参(シャジン)などが咲いています。余呉湖賤ケ岳山本山全12キロの尾根づたいの自然探勝道尾根両脇には、アカ松、ミズナラやサイゴクミツバツツジなど日本海側の樹木満載で木々の間から鳥のさえずりも聞こえます。周辺には羽柴秀吉と柴田勝家の合戦の碑や城趾などの史跡も多く、秋空の下、平日でもハイキングに訪れる人が絶えません。(仲野良典)