今年7月、京都府・市両教委が京都市・乙訓地域の公立高校の通学区域を現行の4から2通学圏に拡大し、選抜方法も希望枠を拡充する改変案を打ち出したことに対し、京都教職員組合(藤本雅英委員長)と京都府立高等学校教職員組合(寺内寿委員長)は19日、府教委に、具体化を凍結し、学校当事者や府市民の意見を尊重することなどを求める要請を行いました。
 要請では、通学圏の拡大について、単独選抜方式を導入し、通学圏を拡充した山城通学圏の例を引き、「子どもたちの競争の激化と学校間格差が拡大した。この実態を検証することなく京都市・乙訓地域で改変案を施策化することは同じことが起こる恐れがある」と指摘。また、両教委が2会場で3回行った府・市民向けの説明会で、参加者から出された疑問や質問に答えていないことなどを批判し、時間をかけて検討するよう要望しました。
 要望内容は、▽施策化を一旦凍結。現在の通学圏、入試制度の丁寧な検証▽子どもたちをいっそう競争させ、学校間格差を拡大しない▽該当地域の中学生、保護者、住民、教職員に引き続き説明会を実施するなど、十分な説明の機会を保障すること―などです。

 両教委の示した「京都市・乙訓地域の通学区域・選抜方法の改善に向けて(案)」は、▽通学区域を現行の4から2通学圏へ拡大▽選抜方法は、普通科第Ⅰ類で、現行の総合選抜制度は継続するものの、I、II類ともに高校を指定して志願できる枠を拡げ、京都市・乙訓全域から可能にする内容です。