京都の東山・北山などでナラ枯れ被害が拡大、山科区でも新たな被害が報告され大きな問題になっています。
 「ナラ枯れ」とは、カシなどの木を利用していた南方系の昆虫、カシノナガキクイムシが運ぶ「ナラ菌」が引き起こす病気で、感染した菌が樹木内の組織に大きく広がると、短期間で枯死します。本来の生息域である九州南部などではナラ枯れによる大規模な枯死は起こっておらず、全国的には兵庫県から秋田県にいたる日本海岸や京都府、滋賀県から長野県に至る関西地方、中部地方で「ドングリのなる木」の大規模な枯死が問題になっています。京都では1991年に大江山で発生して以降、美山町や京北町一帯の山林に広がり、この16年間その勢いが止まらず、本来は数年間で終息していたことと比べ、その“異常”が新たな特徴となっています。
 京都市の三山などの被害は、一昨年に東山の高台寺国有林でナラ枯れが確認され大問題になりました。昨年は京都・大阪森林管理事務所による伐倒処理と「北山の自然と文化をまもる会」や「いいまちねっと東山」などによる爪楊枝を使った駆除活動が行われ、この林域では被害を前年と同水準に抑えることに成功しましたが、今年の被害は、南は稲荷山から豊国神社、東山高台寺国有林、南禅寺から大文字山・北白川へと拡大しています。左京区北部でも市原町周辺で、北区でも原谷や鷹峰で被害が広がっています。先日、日本共産党の井上哲士参議院議員や光永敦彦府会議員、冨樫豊市会議員、成宮まり子京都国政委員長が、地元の吉田山での「ナラ枯れウッチング」に参加、市民団体メンバーの説明を受け、現地を調査しました。
 北山の自然と文化をまもる会やいいまちねっと東山、京都勤労者山岳会自然保護委員会などでは、9日午前10時から、東山区の高台寺国有林と合わせて、今年初めて大規模な被害が発生した山科区(安祥寺、封ジ山町)で、現地調査と駆除活動を行う事にしています。
 (詳しくは、北山の自然と文化をまもる会 榊原義道さんまで090・9624・6529)