清水焼の発祥の地の窯元、陶芸作家、卸店、小売店などが並ぶ五条坂界隈(京都市東山区)で今年も7日から9日まで陶器祭が開かれています。地元清水焼が中心ですが、有田、備前、萩、唐津、信楽、など全国各地から約500店が五条大橋から東大路までの両サイドに軒を並べて、近畿一円からの大勢のお客さん相手の商いです。
 出店数も人出も日本最大と言われるこの陶器祭の発祥は大正時代からで、五条通り北にある六道珍皇寺のお精霊迎えや東山の本願寺大谷本廟への墓参りに行く人々を相手に始まりました。現在は京の町の風物詩の一つとして陶器祭運営協議会が主催しています。
 陶器界は厳しい経営状況には変わりありません。地元の若手の陶芸家は「厳しいけれども、頑張って創作活動に励んでいます」と、伝統を受け継ぎつつ新しい創作品を試みるなど努力されています。これら作品は五条通り南側歩道の東西両端から出店されており、新しい趣向や工夫をこらした個性ある創作品が見られます。また、二〇数人でつくる陶磁器協同組合青年部(通称五条青年会)の作品展も開催されて訪れる人がたえません。(仲野良典)