昭和4年(1929)に建てられた中規模の京町家の典型的なパターンを踏襲している上京区の「今原町家」の見学会が1日行われ、市民ら40人が、間取りや工法、使われている木の種類などの説明に聞き入りました。主催は「町家をトーク」運営委員会。
 同町家は組みひも職人の店と住まいで、間口6.7メートル、奥行き31メートルの表屋作り。現在は2代目の孫にあたる古川理恵子さんが維持・管理しています。
 見学会では、岩井木材の岩井清社長が、同町家の床の間や天井、床などに使われている木の種類や産地を解説(写真)。今では手に入りにくい屋久杉を使った天井や北海道産のナラ材を網代風に組み合わされた床など、贅を尽くした造作が目立ち、当時の西陣の繁栄ぶりを示しています。
 古川さんは「売却や取り壊しの危機もあったが、この町家を守り、すみ続けていく決意を固めた。今後は文化教室のような形でいろんな方においでいただきたいと考えています」と話していました。 今原町家ホームページ