桂川、宇治川、木津川の3川が合流する要所の淀にある淀城の内堀水面に薄いピンクの蓮の花が可憐に咲いています。20年前に天守閣石垣が解体修理され、地元観光協会会員の手で堀の水濠も綺麗に改修されています。。毎日奉仕活動をされている同協会の久保田さんは水濠に入りこんで手入れしながら、「これは300年もので、地下茎の蓮根(レンコン)を移植してこのようにたくさんの花を咲かせたのですよ」と語ります。花菖蒲やスイレンなども丁寧な手入れが施されて栽培されています。
 江戸時代の宇治川は城の北西から桂川に合流し、城の北と西南側の石垣に沿って直径8メートルの水車が2基あったのですが、写真の水車は往時を偲んで久保田さん自作の水車です。水濠に蓮・水車・石垣がよく溶けあって梅雨の蒸し暑さをしばし忘れさせてくれる風景です。(仲野良典)
 淀の川瀬の水車(ミズグルマ) 誰を待つやらくるくると (狂言『靫猿(ウツボザル)』より)