狂言師 茂山童司さん(23)─〔9〕
現代に合うスタイル模索 茂山
成宮 童司さんは、まもなくヨーロッパ公演に出かけられるんですね。
茂山 22日に出発し、ロシア、ドイツ、フランス、イタリア、ルクセンブルク、デンマークの国々で1カ月間の公演です。
成宮 「バイリンガル狂言師」と評されていますが、海外では英語狂言ですか?
茂山 いえいえ、日本語です。だたジェスチャーの大きいもの、面白いものを選びます。
成宮 身振りや表情でも楽しめますものね。さらに、新しい試みにも期待しています。
茂山 う~ん。現代のスタイルに合う狂言の模索はしたいですね。狂言は、舞台に登場し「みどもは○○に住まいいたす…」と名乗り、これからどうのこうのと“笑い”までの説明が長いんです。今の若い人には、もう少し早く“笑い”を誘う工夫も必要かな、などと考えています。
成宮 なるほど。伝統芸能でも21世紀の「時代の空気」みたいなものが必要なんですね。
茂山 ただ、新しい試みでは、四世茂山千作、二世茂山千之丞さんらが、“歴史上初めて○○した狂言師”といわれるほど一通りやってきてはるんで、プレッシャーはあります(笑い)。
成宮 ところで、フランスでは毎日ミュージカル公演があり、しかも300円で見られる、と留学した友達から聞いたことがあります。料金も安く、普通の人が日常生活で文化・芸術に親しめることに驚きました。
茂山 料金は安いですね。日本で5000円くらいの狂言会なら、フランスでは12、13ユーロ(2000円弱)でしょうか。
文化・芸術に政治の光を 成宮
成宮 国の文化予算にも関連していると思います。国家予算に占める文化予算の割合は日本とフランスで8倍の開きがあります。日本が0・12%、フランスは0・96%ですから。
茂山 ヨーロッパには、劇場を安く貸したり、劇団への資金援助をするなど何らかの支援システムがあります。
成宮 国立の美術館や博物館を独立行政法人化し、競争原理を持ち込んで、予算を削る日本とは大違いですね。先日訪問した、京都国立博物館では、「予算が削減され、貴重な文化財が買えず、海外流出している。企画の質も落とさざるを得なくなる」と嘆いておられました。
茂山 そういえば、ボストン美術館は、浮世絵など日本のものをたくさん展示しています。このままでは、本物は外国にあって、日本のはレプリカなんてことになりかねないですね。
成宮 そうさせないために、文化・芸術に政治の光をあてる仕事を国会でやりたいです。
茂山 ぜひ、お願いします。
成宮 その国会では今、自民・公明が、憲法9条を変えるための手続き法案「国民投票法案」の成立を狙っています。これをどうしても阻止したい。憲法を守る京都の議席を取り戻さなくてはと思います。外国から日本はどう見られているのですか。
茂山 ヨーロッパの人たちは日本の政治や首相の名前は知らなくても日本国憲法9条はよく知っています。スイス人はみんな知っていますね。
成宮 9条が有名なんてうれしいです。
茂山 スイス人の友達は、日本にシンパシイ(同情)を持っていました。「永世中立国といっても軍隊があり、海もないのになぜ海軍がいるのかと他の国から思われている。日本も“戦争放棄”と言っても“どうせ戦力を持つだろう”と見られているんでしょ」と言うんです。
成宮 同情されないように、9条を変えさせない運動を大きくしなくては。千之丞さんの「笑いながら抵抗するのが狂言の力、庶民の力だ」という言葉はとても大事だなと思います。
茂山 狂言は庶民の芸能。「おもしろい」と笑い、喜んでもらえるよう出向いて行きたいですね。
成宮 芸術・文化は国民みんなの権利です。豊かに人間らしく生きられる社会をつくるためがんばります。
写真
腰を落し「アーハッハッハッハー」。童司さん(右)に狂言の笑い方を習う成宮さん


「上級問題・其の二」をupしました!










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