日本共産党の井上さとし参院議員は14日の参院文教科学委員会で、教育三法案に盛り込まれている有効期限10年で免許更新時に30時間の講習を義務付ける教員免許更新制導入について取り上げ、更新講習を受け入れる大学側の条件や一部の「優秀教員」を免除していることに、「教員の身分を不安定にし、上ばかり見る教員をつくる制度」と指摘し、導入しないよう求めました。
 この日の質疑で文科省は更新対象の教員数について、毎年10万人、うち小学校4万人、中学校2万人強になることを明らかにしましたが、井上議員は更新講習を教員養成系大学が担うことについて、地方の大学関係者の意見として、▽平日夜の講習は講義が詰まっていて難しい▽土日に実施しても教官、事務方が平日に振り替え休暇をとれば平日の授業にも影響する―などを紹介し、「夏休みなど長期休暇中の講習も各種講座があるため限界があり、教官の研究にも影響する。大学側に無理やり押しつけても十分な講習はできない。地方の中規模の大学で年間数百人規模を受け入れる必要がある。受け皿について十分検証できているのか」と問いただしました。
 文科省は「状況はつかんでないが、とにかく法案を認めていただければ」(銭谷真美初等中等教育局長)と答弁しました。
 また、校長や教頭のほか、学習指導や部活動指導で「優秀教員」として表彰された教員は更新講習を免除することについて、「結局教員の身分を不安定にして、上ばかり見る教員をつくるような制度。国民が望む方向ではない」と廃案を求めました。