日本共産党の井上さとし参院議員は24日、参院文教科学委員会で、「指導が不適切」と認定された教員が受ける研修で、遊歩道造成や倒木運搬などの内容があることを示して、「みせしめ、懲罰になっている」と追及。伊吹文明文部科学相は、「そのことがすべての研修であれば適当ではない」と答えました。
 審議中の教育三法案に、「指導が不適切な教員の人事管理の厳格化」が盛り込まれていますが、井上氏は、ある県の指導改善研修の内容に、「カニ観察の遊歩道を100メートル造成」「花の除去」「雪かき」「倒木の運搬」「土管の点検と移動」などがあることを示し、「指導力向上に役立つとは思えない。人権無視のやり方であり、見せしめ、懲罰だ」と指摘し、不適切な研修内容を改めるよう求めました。
 伊吹文科相は、「研修の内容は各教委が考えることだが、指摘の内容が真実であれば、それがすべての研修であれば適当ではない」と答弁しました。
 また、井上氏は、精神疾患の場合は「指導が不適切な教員」の定義に入らないのに、6府県・3政令市で精神疾患などの病気を「不適切教員」に含めていることを示し、是正のための厳格な指導を求めました。伊吹文科相は、「文科省としては精神疾患が含まれないと明確にする」と答弁しました。