伏見藤森神社で5日、平安時代から始まり室町時代に御所衛門警備の武官が深草祭(藤森祭)に奉納した勇壮な馬術が今年も境内参道で披露されました。敵矢に当って落馬しかけたと見せかけて駈ける藤下り、敵前で馬上逆立ちして敵をあざけりながらの駈馬、敵に姿を隠して馬の横に張り付いて駈けるわざや馬上で筆で信号として文字を書いて後方に送る駈け馬などたくさんのわざが披露されました。江戸時代は伏見奉行所の衛士警固や各藩馬術指南役などの武士が甲冑を身にまといわざを競い合ったことが挿絵付きで『都名所図絵』などに記録されています。明治になってからは藤森神社の氏子が日常的に訓練して引継いで無形民俗文化財に指定され5月5日に駈馬行事としておこなわれています。
 五月晴れの5日に藤森神社には参拝者や駈馬の見学客がたくさん訪れて、馬上演技しながら勇壮に目の前を猛スピードで走り抜ける騎士と馬に感嘆し大きな拍手が寄せられていました。(仲野良典)