「退職慰労金倍増の決定を撤回せよ」―学校法人立命館の理事会は理事長と総長の退職慰労金(退職金)を倍増することを決定(3月)しましたが、これに学費値上げに苦しむ学生や教職員から批判の声があがっています。立命館教職員組合連合は27日、京都市中京区の同法人朱雀キャンパスで理事者に対して決定の撤回を求める抗議宣伝を行いました。
 決定は、理事長や総長に任期期間1年あたり500万円を支払うとした規定を、昨年12月末にさかのぼり1000万円に改定するもの。今年1月に理事長を退任した川本八郎氏(73)=現・相談役=には1億2000万円、昨年末、総長を退任した長田豊臣氏(69)=現・理事長=には4000万円が支払われました。川本氏は職員退職時(1995年)に専務理事としての退職金約8000万円(立命館大学教職員組合推定)をもらっており、今回の分と合わせると、約2億円の慰労金を手にしたことになります。
 規定改定について広報課は「学園の拡大でトップにより重い責任が課せられるようになり職務にふさわしいものにした」などと説明しています。
 当日の宣伝は、同組合の春闘要求を理事会に提出する行動の一環として行われたもの。組合員約50人は、この日の理事会のために訪れた理事に「総長・理事長の慰労金倍増を即時撤回せよ!」などと書いたプラスターを示しました。
 飛び入り参加した法科大学院の学生(30)は「学生には、高い学費を払わせながら、『金がない』と言ってプリンターなどの購入をしなかったり、正月休み返上で勉強する学生のラウンジの照明や暖房をケチったりしている。なんで自分らだけそんな金がもらえるのか。社会的に通用しない。返すべきだ」と語っています。
 立命館大学教職員組合副委員長の片岡明氏は「学園拡大で苦労したのはトップだけでなく教職員も同じ。なのになぜ職員には2年連続一時金を削減しておきながら、自分たちは退職慰労金を倍増するのか。しかも、民主的な議論がなされず納得できない。お手盛りだ」と話しています。
 問い合わせ先=立命館大学教職員組合TEL465・8200。